School of Human Sciences, WASEDA University

研究 (Research)

巖淵研究室では,障害のある人や高齢の人など,様々なバリアを抱える人々に役立つ支援技術に関する研究を行っています。

読み書きに障害のある子どもの支援

タブレットPCを利用し,読み書きに障害のある生徒向けの支援技術として,触った位置の文章が読み上げられる「タッチ&リード」を開発しました。 小学校における実証実験では,「タッチ&リード」を使用した子ども達の読む課題での学習が促進され,試験における得点が向上しました。

入試における合理的配慮の推進

鉛筆を持てないためパソコンを利用して文章を書く肢体不自由の生徒や,読み上げソフトを利用して文章を読む視覚障害のある生徒など,情報技術を活用することではじめて教育活動に参加できる障害のある生徒達が多くいます。本研究では,合理的配慮として国際条約にも謳われるこうした技術利用,中でも入試においての利用の推進を目指しています。

重度重複障害のある子どもの支援

重度重複障害ある人の随意運動を引き出すことのできる支援技術に関する研究を行っています。筋緊張に伴う手足の震えなど,様々な不随意運動のためにこれまで機器利用が困難な人に対して,本研究では,マイクロソフト社のKINECTを応用したシステムを開発しています。

開発途上国向けの支援技術

開発途上国における支援技術の利用促進を目指し,障害のある人のための専用技術を一から開発するのではなく,既存の支援技術や普及した一般技術を応用することで,短期間・低コストで技術開発できる手法を提案しています。その一例として,マイノリティ言語のための読み上げソフトの開発を進めています。

時間プロジェクト

時間プロジェクトでは,自閉症など,時間理解に困難を抱える人向けの支援ツールの研究開発を行なっています。 また,現代社会では,情報技術の進歩によって効率化が進みましたが,その一方で,人々の忙しさは増し,不適応を起こす人も増えています。 ここでは,時間感覚を変えることによる生活支援の方法も研究しています。

高齢者向け支援

訪問介護サービス利用者の心身の状況や個別ニーズに対応したより質の高いサービスを提供するためには,心身及びニーズの日々の変化を的確に捉えられるよう利用 者とのコミュニケーションを図ることが大切です。訪問介護現場でのコミュニケーションに利用できる話題を携帯電話に自動配信するネットワーク型サービスについて研究開発しました。