School of Human Sciences, WASEDA University

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入試における合理的配慮の推進

障害のある生徒達の中には,IT機器がなければ普段の勉強ができない生徒達がいます。彼らは,例えばパソコンがあれば,肢体不自由のため鉛筆で文字を書けなくてもキーボードで入力することができ,視覚障害のため文字が見えなくても,音声読み上げ機能で耳から聞いて学ぶことができます。

しかし,学校での定期試験や入学試験では,パソコンなどのIT機器を使用することが認められにくい現状が,日本を含め多くの国にあります。学習支援ツールとしてIT機器利用の進む欧米においては,こうした技術利用は教育に関する「合理的配慮」の一環として行われており,これが障害学生の進学率の高さ(例えば米国では全大学生の約11%が障害学生,日本でのその数は未だ0.5%にも満たない)にも現れています。

「パソコンで試験を受ける」というと,「不正ができてしまうのでないか」と考える人もいます。 巖淵研究室では,入試等においてパソコンが適正に利用されていたかを確認できるソフト「Lime(ライム)」を開発し,障害を持つ児童・生徒への「合理的配慮」推進 を目指しています。

Limeの概要
  • 肢体不自由や学習障害などの理由により筆記用具を使用することが困難な受験生のための利用を主として想定
  • 入試等においてパソコンが適正に使用されていたかを利用ログ(以下)から確認可能
  • ロギング機能:コンピューターを利用中,変換候補として表示された漢字データ,ならびにアプリケーションの起動・終了の情報を自動的にテキストファイルとして保存


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